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地理・歴史・社会・経済の自由な分析とまとめ

新時代の世界各国概要⑤ ソマリランド

政体: 民主主義

地域: 東アフリカ

人口: 350万人

GDP: 25億 USD

一人あたりGDP: 950USD

 

1. 安定した氏族社会

ソマリアの人種はソマリ人と一括されるが、実際には氏族毎の帰属意識が強く、家族・社会的な関係はそれによって規定される。ソマリランドはイサック氏族のほぼ単一民族国家(北西部など一部例外あり)であり、それゆえ治安的にも政治的にも比較的安定した情勢を保っている。

 

2. エチオピアの外港

ソマリランド第二の都市、ベルベラはアデン湾に面した良港であり、過去にソ連の支援などもあり港湾設備も整っている。そのため、関係良港な内陸国であるエチオピアの外港として機能している。一方、近年ジブチエチオピア鉄道が開通し、よりインフラが整ったジブチ港に地位が圧迫されている

 

3. 国際社会の壁

ソマリランドソマリア内戦において分離独立したため、国際社会の承認を得られていない。ソマリア暫定政府を支援する先進国からすればソマリランドの承認は困難で、諸民族を抱えるアフリカ国家の立場から見てもソマリランドの独立承認は国内民族の分断を招くことになるため、簡単には認められない。諸外国との非公式的な交流はあるが、認められる道筋が見えないのがソマリランドの現状だ。