趣味の海

地理・歴史・社会・経済の自由な分析とまとめ

地政学に関する乱雑なメモ

自分用

  • スバルキギャップ リトアニアポーランド間の国境。ロシアの飛び地、カーリニングラードとロシアの衛星国ベラルーシとの間に位置し、長さは100km超。平原が広がっており、有事には確保が重要である。
  • 中国が海洋進出目標として列島線を設定していることは中国がシーパワーを理解していない証拠であり、ナンセンスでもある。なぜなら海軍は戦力の投射が容易で、攻撃に優れているので線ではなく面で対象を制圧する性質があるから。また、海には境界の概念が極めて薄く、防衛に適したラインというのは存在しないから。
  • アメリカのヒスパニック移民が他の移民と明確に違う性質は、祖国が地続きであり、集住すること、言語を含めて以前の生活習慣を維持することが容易であることだ。これは移民の同化と国民の統合という意味では明確な脅威である。
  • 平和な時代かどうかを示すバロメーターの1つに小国の存在しているかどうか、というものがある。なぜなら小国は攻撃的な大国が周囲に位置している場合、国際秩序が安定していないと独立を保つことが難しいからだ。
  • 地理を無視して戦争を決することができる核ミサイルによって地政学の意義は無くなったと思われがちだが、それは正しくない。核ミサイルは究極時にしか使用できない兵器であり、核ミサイル国同士ではゲーム理論上核を使う事は非現実的、核ミサイル非保有国もいづれかの核保有国の同盟国である場合がほとんどなので、核ミサイルは国家の戦略に影響を与えない。逆に、近年のグローバル化によって、外交、経済に地政学が及ぼす影響はますますダイナミックになっている。
  • 中国は巨大な島国である。ロシアとは寒冷で人口希薄な地域のみ接しており、インド・東南アジア国境は急峻な山脈が続いている。漢民族が集住している地域は他国の人口稠密地帯と明確に分離されている。
  • イスラエルが攻撃的なのは周囲の地形が平らで、国土が狭いからである。戦争時、イスラエルにとって国内が戦場になることはすなわち負けであるので、積極的攻勢に出ること以外に選択肢は無い。
  • 島国は2重の防衛時に利点がある。1つは地形的に防衛が容易であること。もう1つは民族が均一になりがちであること。この2つの強みは両方とも海洋の隔絶性から生まれる。
  • 外洋海軍を持つためには尋常ではない建造費、維持費と長年にわたるノウハウの蓄積、諸外国との関係構築が必要である。そのため、強大な陸軍と同時に保有することは困難。ランドパワーとシーパワーが分かれる1つの理由でもある。
  • 国力を判断するための重要な指標が同盟国の数と国力だ。国力が大きいと同盟国も増えるという因果関係、同盟国が増えると地政学上の優位、外交的な優位も更に増して国力が増えるという逆の因果関係が存在する。