趣味の海

地理・歴史・社会・経済の自由な分析とまとめ

東京一極集中が良い理由

理由を列挙してみた。詳しい調査をしている訳では無いが、大きく外していないはず。

5つの理由

  1. 東京は他地域よりも労働生産性が高い。なぜならサービス業では顧客が多く、IT業では労働市場が大きく知識のネットワークが形成されやすいからだ
  2. 東京は他地域よりもインフラ投資効率が良い。利用者の密度が高いからだ
  3. 東京は世界の大都市の中でも、集積と家賃と住宅価格の抑制を同時に達成している珍しい都市である。それゆえ、一極集中によって日本全体の可処分所得は上昇する
  4. 東京への一極集中は資源の節約になる。公共交通機関の利用度の高さとインフラの活用度合いが田舎よりも高いことはもちろん、他の都市圏よりも高いからだ
  5. 一極集中は多国籍企業がアジア拠点をシンガポールや上海よりも東京に置く理由になる

4つの一極集中への反論への反論

  1. 人口の分散は災害リスクの回避にはならない。経済損失の抑制で大事なのは物流拠点の分散や、東京を介さないインフラ網をバックアップで用意することだ。東京圏は他地域と比較すると、洪水や地震のリスクが高いとは言えず、先に述べたように防災インフラへの投資対効果も良い
  2. 人口の分散は地方の活性化に繋がらない。シンプルに東京への人口流入を抑制しても、そもそもの出生率減少が激しいからだ
  3. 規模の不経済は規模の経済を上回らない。東京都の一人あたりの可処分所得が2位の愛知県を20%上回る事がそれを表している
  4. 東京の過密はQOLの低下をもたらしているとは言えない。家は狭いが、買い物は便利で遊ぶ場所も多い

政策への提言

  1. 政府としては一極集中を食い止める必要は無く、人口の移動はなすがままにするべき。地方創生・地域活性化は東京への一極集中と結び付けずに対策を講じるべき
  2. 東京を如何に住みよく、効率的にするかに重点を向けるべき。住民のQOLを底上げすることは、海外人材の誘致にもつながる。その過程では、シリコンバレー一帯のような弱者にとってのディストピアにならないようにするべき