趣味の海

地理・歴史・社会・経済の自由な分析とまとめ

新時代の世界各国概要⑤ ソマリランド

政体: 民主主義

地域: 東アフリカ

人口: 350万人

GDP: 25億 USD

一人あたりGDP: 950USD

 

1. 安定した氏族社会

ソマリアの人種はソマリ人と一括されるが、実際には氏族毎の帰属意識が強く、家族・社会的な関係はそれによって規定される。ソマリランドはイサック氏族のほぼ単一民族国家(北西部など一部例外あり)であり、それゆえ治安的にも政治的にも比較的安定した情勢を保っている。

 

2. エチオピアの外港

ソマリランド第二の都市、ベルベラはアデン湾に面した良港であり、過去にソ連の支援などもあり港湾設備も整っている。そのため、関係良港な内陸国であるエチオピアの外港として機能している。一方、近年ジブチエチオピア鉄道が開通し、よりインフラが整ったジブチ港に地位が圧迫されている

 

3. 国際社会の壁

ソマリランドソマリア内戦において分離独立したため、国際社会の承認を得られていない。ソマリア暫定政府を支援する先進国からすればソマリランドの承認は困難で、諸民族を抱えるアフリカ国家の立場から見てもソマリランドの独立承認は国内民族の分断を招くことになるため、簡単には認められない。諸外国との非公式的な交流はあるが、認められる道筋が見えないのがソマリランドの現状だ。

東アジア - ヨーロッパ間における鉄道輸送と海上輸送の競争力

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東アジアとヨーロッパ間の輸送手段は海上輸送が圧倒的に主流だった。東アジア側からは、神戸港釜山港・上海港・香港港などからマラッカ海峡スエズ運河を経由してヨーロッパに荷物を送り届ける輸送ルートである。

一方で、1990年代から中国が戦略的に鉄道輸送ルートを整備しており、一帯一路で更に取り組みは加速している。日本企業も一帯一路ルート(中欧班列)に加えて、中国を経由しないシベリア鉄道ルートを活用している例もある。

この鉄道輸送の競争力の向上と海上輸送の代替可能性は、ランドパワー復権、具体的には中国の経済安全保障とロシアの経済的地位向上に直結してくる。逆に、鉄道輸送が勃興すると、ユーラシアの鉄道輸送ネットワークから切り離されているインドやアメリカの影響力は低下するだろう。

現在、国際物流は一度に数万もの20ftコンテナを積載可能な超巨大コンテナ船による貨物輸送が全盛を迎えており、鉄道輸送のプレゼンスは低迷しているが、その現状は変わるのだろうか?結論から言えば、劇的に変わるかもしれない。この記事では東アジア - ヨーロッパ間における鉄道輸送と海上輸送の競争力を比較していく。

 

 

コスト・リードタイム

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輸送コストは発着地により幅があるが、中国内陸部-東ヨーロッパでは船便と同等。中国沿岸部・日本-ドイツでは補助金なしで3-5倍、補助金有りで1.5-2倍に収まっている。リードタイムは中国-ドイツ間が11日で、1.5ヶ月かかる船便はもとより、1週間かかる航空便にも肉薄している。

さらなる競争力強化のためには新たな経路の整備、手続きの迅速化、規制緩和、コンテナを2段重ねにした輸送(ダブルスタックカーの使用)、ブロックトレイン利用推進等が考えられる。

  • 補助金抜きで、中国西部からドイツの間で40ftコンテナ1本1万ドル、補助金ありで約4000ドル(2017年実績より)*1
  • 日本-欧州輸送(中国経由)のトライアルで、輸送費用は約3倍(鉄道:6,000米ドル程度、海運:2,000米ドル弱/40フィートコンテナ)、輸送日数は7日程度の短縮(25日~28日程度で、海上輸送だと30日~35日)
  • 大連-モスクワ間で補助金抜きで40ftコンテナ一本4000-5500ドル、10-12日間(2017)

    *2

  • 料金7500ドル(約80万円)のうち荷主が支払うのは約3分の1で、残りは中国当局が負担する。コロナ危機前のコンテナ輸送料は海路が1500ドル、空路が2万ドル*3
  • 中国内陸部発でハンガリーなど中東欧向けでは、長距離ドレージなどの費用を
    織り込むと鉄道は日数が半分で運賃はほぼ同じとなりメリットが高い
  • 中国-ドイツ間の鉄道輸送にかかる時間は17日から11日に短縮されており、航空輸送は1週間、海上輸送は6週間
  • カザフスタン・ロシア・ベラルーシは線路の幅が異なるため貨物の積替えが必要となり、2-3時間で一便終えられるものの、繁忙期は滞留リスクがある
  • 中欧班列のコンテナ1本当たりのコストは船便のおよそ3倍。その価格差を狭めるため、地方政府が1本当たり推計で平均2500ドルを補助して支えてきた

    *4

実績

ここ10年の急成長は凄まじく、直近実績から推測すると中欧班列の輸送量は約100万TEUに達している。東アジアとヨーロッパの全貿易量に占める数量シェアは10%弱、金額シェアではそれ以上を占めると推測される。

  • 中欧班列で31.8万TEU、輸送回数は3673回(2017年実績)
  • 2019年は8225回、2020年は前年比約50%の増
  • 東アジアとヨーロッパ間のコンテナ輸送量は約1000万TEU

    *5

結論

東アジア - ヨーロッパ間における鉄道輸送の競争力は急速に高まっている。コストはさらなる削減余地が大きいものの、リードタイムは大きく減少している。鉄道輸送は中国政府の全面的なバックアップの下で、航空輸送の将来需要を大きく奪いつつ、海上輸送も代替し、10年以内に金額ベースの貿易シェアで過半を占めるようになるのではないかと予想する

中国とロシアは鉄道輸送の貿易拡大の恩恵を受け、中央アジアはその過程で陸の孤島からシルクロードの中継地へと劇的に変貌する。ユーラシアのランドパワーは20世紀後半の最も低迷した時代から復活しようとしている。シーパワーである日本や韓国もそのおこぼれには預かれるだろう。

*1:「一帯一路」構想と中国鉄道輸送について https://core.ac.uk/download/pdf/229954336.pdf

*2:https://www.mlit.go.jp/common/001291984.pdf

*3:コロナで中国の鉄道輸送が活況、一帯一路に追い風 - WSJ

*4:中国の「鉄のラクダ」が世界を動かす 現代のシルクロードでいま起きていること:朝日新聞GLOBE+

*5:https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/11863735_02.pdf

中途半端なビジョンがトヨタを凋落させる

「電動化がEV化とは違うことを理解して欲しい」

豊田章男社長は自工会で発言した。この謎の発言は、時代遅れな社内の主流意見に対して明確なビジョンを示せない社長の妥協の現れで、EV化に対して中途半端な態度のトヨタは遅れを取り戻せず、凋落していくと予想する。順を追って説明したい。

電動化=EV化にあらず、メディアに異例の注文-自工会の豊田会長 - Bloomberg

 

EVが主流になることは明白

「次世代の車はEVになる」ことは、ここ一年で明白になった。

ガソリン車はもちろん、HV車もプラグインハイブリッドであれ、2030年前後から各国で禁止されていく。

各国のガソリン車禁止・ディーゼル車販売禁止の状況 | EVsmartブログ

燃料電池自動車は当初想定を遥かに下回るスピードでしか普及が進んでおらず(悲惨な程売れていない)、数少ないメリット(航続距離)も早晩EVに並ばれる一方、超高い水素ステーションの建設費をどう下げるか?等の問題は解決の目処が立っていない。

平たく言えば、燃料電池・HV・ガソリン車はオワコンだ。

自動車は元々シェアが細分化された業界で、トヨタ一社のシェアも10%程度に過ぎず、EV化の潮流をトヨタ一社で覆すことは困難だ。であるならば、トヨタとしてはEVに注力するしか無いが、既に大きな遅れを取ってしまっている。

 

トヨタのEV販売台数はテスラの10分の1

EVにおけるトヨタの販売台数は世界第16位。販売台数はおよそテスラの10分の1だ。(参考資料)

EV生産において、原価改善の肝はおよそコストの半分を占めるバッテリにあり、バッテリーはスケールメリットがかなり重要な部品である。この部分では十八番であるトヨタ生産方式はあまり役に立たない。むしろ競合他社と比べてEV投入が遅れているため、生産台数が少なくスケールメリットがある他社に比べて不利であるのが実情だ。

 

EVに本気で注力しても巻き返せるか微妙だが、未だに本腰を入れていない

つまり、トヨタがEVで挽回するためには販売台数を急激に伸ばすことが必要になってくる。

簡単な事では無い。なぜなら電気自動車の生産が急激に増えているため、市場全体で自動車用バッテリーの生産量不足が深刻になっていくからだ。バッテリー生産工場の立ち上げはすぐには出来ないし、リチウムやコバルトなどの原料不足も既に生じてきている。

テスラは予めギガファクトリー内にバッテリー工場も建設しており、増産準備は万全。代替原料の研究も進めており、差は簡単には縮まらない。また、主要自動車メーカーの隙きを突き、中国メーカーも急激に販売台数を伸ばしている。

 

にもかかわらず、トヨタのスタンスは中途半端。水素・HV・ガソリン車を総花的に推進しており、リソースを分散させている。

 

 

EVが本当にエコかどうかはどうでも良い

よくあるEV車主流化への反論は3点:

①結局石炭火力発電だから、EVよりガソリン車の方が実はエコ

②EV生産は環境負荷が大きい

③世の中すべての車がEVになったら発電量が追いつかない

これらはすべて「現時点」では合理的な意見だが、将来どうなるか考えるとかなり怪しい。①は再生可能エネルギーの発電コストが既に火力を下回っているため、将来的にはガソリン車を逆転するだろうし、②は素材の改良・生産方式の改善で低減していく。③は単純に発電量を増やせば良いだろう。

EV車主流化の議論は、将来どの駆動方式の車を普及させるか、という議論なので「現時点」の話をしても根拠としては弱い。

また、人類全体でゆくゆくはカーボンニュートラルを目指す、という目標が固まりつつある中で、ガソリン車・HV車はエネルギー効率をどんなに上げても不要となるだろう。

 

自己矛盾に満ちたスタンス

トヨタの豊田社長は会見で、「50年までのカーボンニュートラル実現に向けての取り組みは進める」と述べている一方で、「温室効果ガス削減のためにEV・HVとガソリン車をミックスする必要がある」とも発言しており、曖昧なスタンスを取っているが、上記の流れを踏まえると最終的には全車両のEV化は避けられない事がわかる(何より、各国政府から将来のガソリン・HV車販売禁止が名言されている)。

「電動化がEV化とは違うことを理解して欲しい」という冒頭の発言はナンセンスですらある。

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ガソリンを使用するHV・PHVを廃止せずに2050年CO2ゼロチャレンジはどういう理屈で達成できるのか(写真: トヨタ自動車)


なぜトヨタはEVに振り切れないのか

では、トヨタがEVに振り切れないのは何故か。表面的には「EV車は実はそれほどエコでは無い」云々述べているが、根本原因は別にある。

それは、EV車はバッテリーコストが重いため、従来の車両より利益率が低くなってしまうからだ。利益率の低下は毎期の利益確保を最上位目標に掲げるトヨタにとって受け入れられるものではない。

 

幻想に縋る

それゆえ、トヨタは将来バッテリーコストが下がり、利益率を維持したままEVシフト可能なタイミング(2020年代半ば)を狙っていると考えられるが、それは幻想だ。その頃にはEVに早期参入した各社と比べて挽回不可能なほど出遅れ、各国のガソリン・HV車規制にも間に合わないだろう。

直近の利益率は犠牲にしたくないが、将来における困難にも目を瞑りたいトヨタの経営幹部らは、燃料電池自動車による一発逆転ホームランを夢見つつ、「モビリティカンパニーとなり、利益を増やす」というコンセプトを持ち出してお茶を濁している

テスラが相応の利益を確保しつつあることからわかるように、EV参入がもし早ければ量産技術の先行によって現在の利幅を維持することも出来ただろう。モビリティカンパニーというトヨタの強みが活きるかもわからない概念を押し出す必要も無かったのだ。

 

 

将来予想:凋落

 

最後に、以上の状況を鑑みて、大胆に将来予想してみる。

2020~2023: EVの全自動車における販売シェアが10%を超え、この間トヨタは殆どシェアを取れず(EV内で3%以下)。従来車の販売台数は減少。燃料電池自動車の普及は絶望的になる

2024~2027: EVの普及速度は加速し、シェアは30%を突破。トヨタの販売台数・営業利益の減少基調が鮮明になり、販売台数は800万台を割る。一部組み立て工場が閉鎖

2028~2031: 2030年にヨーロッパ各国でHV・ガソリン車が販売禁止に。トヨタの販売台数は大きく減少し、一時的に赤字転落

2032~: 多少持ち直し、EV化に何とか適応。トヨタは現在のフォード程度の規模・収益性に落ち着く

 

トヨタの凋落が日本経済に与える影響は甚大で、埋め合わせが難しいものになるだろう。とりあえず、トヨタ株・社債は買わないほうが良い。

PS5の転売屋がいる健全な社会

PS5の転売屋へのバッシングは一般的に思われているよりも妥当性が無いことだと思う。そして、経済的効用の意味で転売を社会的圧力で規制するのは意味ないどころか、経済にとって害だと考える

まず、明文化されたルールやシステム無しで社会的圧力で規制するのは合法的な経済活動を圧迫し、社会の活力を奪う行為だ。明確な基準が無いため、商売人が萎縮してしまう。

しかも結局社会の圧力を受け辛いアウトサイダーや外国人には意味が無いから圧力をかけても転売は無くならない。

また、転売は商売の第1ステップ、資本を持たない意欲ある若者が成り上がる道でもある。

そもそも転売は社会全体の効用を増やす市場調整機能である。安く買って高く売ることは資本主義では自然なことだ。

 

まとめると、転売は悪であるとの社会的圧力をかけるのは転売を防ぐことは出来ないし、商売=悪との観念も定着させてしまうから日本のためにもならない。

私企業がブランド価値の最大化や、理念を通す(幅広い層に自社製品を届けるなど)ために転売を防ごうとするときは、社会的圧力に頼るのではなく、購入時の本人確認など、仕組みで防いだ方が良い

Polytopia攻略 - ユニット評価

2022/11/20 最新バージョンを基に更新

評価基準は完璧(Perfection)モードで難易度マニアでのプレイが前提。

ユニットコスト・性能・必要テクノロジーを考慮した総合評価。

具体的なパラメータは以下の英語Wikiを参照しよう

polytopia.fandom.com

 

戦士 [Warrior/歩兵, コスト2]

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総合評価: A+

  • これと言った特徴が無い基本ユニットだが、コスパが良いので序盤から終盤まで役に立つ。ゆえに、こいつの使い方が結局一番肝心
  • Perfectionモードでハイスコア狙いの場合、できるだけユニットへの支出を抑えながら敵部族を滅ぼすことが重要なので如何に戦士を上手く運用できるかが鍵
  • アーチャー(弓)やライダー(騎馬)や剣士など防御・攻撃力に偏りがあるユニット主体で攻める時は、占領用・壁用に攻撃・防御のバランスが良い戦士を混ぜると安定する
  • 足が遅いので、中盤以降マップの端の方で放置してしまいがちだが、意外と最後まで役に立つので手間を惜しまず戦場まで引っ張ってこよう

 

ライダー [Rider/騎馬, コスト3]

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総合評価: A

  • 移動力が高く、攻撃後に再移動できるユニット。とにかく機動性が高く、スピーディーに拡張するには必須のユニット
  • 移動力故に、視界確保・偵察にも非常に役に立つ
  • 序盤に3~4ユニット集中運用できれば移動力+攻撃力で次々と敵部族を滅ぼせる(騎兵ラッシュ)
  • 移動力が高いゆえに動かし方・移動先が難しく、初心者・上級者で運用の上手さに差が出やすい気がする
  • 防御力は低いので消耗は激く使い捨て運用になりがちだが、攻撃後に移動できるため敵部族の領土で攻撃→自領地に撤退→1ターン消費してライフ4回復を行うことで損害をかなり減らすことができる
  • 性質上、Defender(盾)と相性が悪い。体力マックスのDefender(盾)を攻撃すると一撃の反撃で溶てしまう。剣士も同様
  • 逆に攻撃&離脱ができるので、Archer(弓)相手には相性が良い

 

Defender [盾, コスト3]

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総合評価: C

  • ひたすら防御力が高い。巨人の攻撃でも一撃で死なない。一方、移動後攻撃不可・移動力1なので機動性は低い
  • その性質から敵巨人・剣士の都市接近時の防衛用の盾役として使うのが基本だが、敵都市に肉薄させて進路妨害をすることも効果的。
  • 体力の高さを活かし、中盤以降に海上で使うユニットとして量産すると案外使い勝手が良い。敵の沿岸都市をこいつで占領すると、剣士と防御力は同じなのでかなり持ちこたえることができる。
  • 敵部族の攻撃に対する反撃がひたすら強い。とはいえ最新バージョンだと敵CPUも強化されているため積極的に盾を攻撃しようとせず、戦場で空気になりがち
  • 欠点はテクノロジーツリーの位置。出せたら嬉しいが、出すためだけにわざわざテクノロジーを一つ研究するほどの価値は正直無い。ツリー末端のクロークも非常に癖があるユニットで役には立ちにくい。

 

剣士 [Swordsman , コスト5]

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総合評価: A+

  • 攻撃・守備のバランスが良く、地上戦最強。コストが重く、必要テクノロジーも遠いが、研究するだけの価値はある
  • 序盤に出せると剣士+戦士1体ずつで剣士を持たない敵部族を安定して滅ぼすことができ、非常に強力
  • 平地にいる騎馬・弓を一撃で倒せるため、敵に出されると非常に厄介
  • 敵に剣士がいる場合、こちらも剣士を出さないと攻めきれない場合が多い。巨人一体で攻めても剣士に囲まれて案外あっさり倒されてしまうことが多い
  • 完璧モードのプレイ時にはなんだかんだ8割型剣士を出している

 

Archer [弓, コスト3]

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総合評価: B

  • 遠距離攻撃が出来るユニット。一方的に攻撃できるため、上手く使えば味方の損害を抑えながら着実に進軍できる
  • コストが安いため、完璧モードでも活躍の機会は十分ある
  • 移動力が等しい戦士との組み合わせが強い。騎馬との組み合わせは両方防御が低く、移動力が異なるためあまり良くない
  • ネックは必要テクノロジー。こちらも盾同様、出すためだけにわざわざテクノロジーを一つ研究するほどの価値は正直無い。敵部族との接触時に貰いたい所
  • 敵に3,4体量産されると突っ込んだ先から味方ユニットが倒されていくのでかなり厄介。量産されたら泥沼化は不可避なので、ちらほら生産している部族がいる場合、量産される前に迅速に滅ぼすしかない
  • 敵CPUは優先してこいつを殴ってくる。ユニット数が少ない序盤だと上手くそれを防ぎつつ攻めきれる場合が多いが、中盤以降はすぐに溶かされてしまい正直役に立たない印象

 

Catapult [カタパルト, コスト8]

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 総合評価: B+

  • 圧倒的な遠距離攻撃能力。膠着した戦況を引っくり返せる
  • が、移動後攻撃不可・高コスト・打たれ弱い・必要テクノロジーが遠いことなどデメリットも多い
  • 前線から遠ざかってしまい役に立たない・相手の騎馬で瀕死状態になることも多く、運用は非常に難しい
  • 一方、ちょうど良い立地に上手く出せれば一気に敵部族を滅ぼすことができる。特に城壁のある都市は剣士であっても攻めあぐねてしまいがちだが、投石機がいれば大丈夫
  • 運用時はよく吟味した上で、ここぞという時に使いたい

 

Knight [騎士, コスト8]

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総合評価: D

  • 騎馬の上位互換。相手を連続して倒せるのはこのユニットだけ
  • しかし、高コスト・打たれ弱い・必要テクノロジーが遠いのが痛い。結局Defender(盾)やSwordman(剣士)は一撃では倒せないので、中途半端というか、足す意義がほぼ見当たらないユニット
  • 打たれ弱いので、敵部族がこいつを出してきてもあまり脅威では無い。戦士で囲んでタコ殴りしたらすぐ倒せる

クローク [Cloak, コスト8]

総合評価: B-

  • 特殊ユニットで、敵都市に隣接した場所でターンを終えた際、次ターンに都市での暴動を誘発可能
  • 暴動が発生した都市は☆収入が0になり、発展状況に応じて周囲にダガーが出現する
  • このダガーが非常に強く、攻撃力は戦士と同じ・防御力は戦士より低めだが敵攻撃時に反撃ダメージを受けないため都市防衛側の兵力をジリジリ減らすことができる
  • 一方、カタパルトと同程度研究と生産コストが重く、カタパルト以上に付随テクノロジーは役に立たない
  • 巨人や剣士を出された都市は結局ダガーでも落とせず、都市隣接時に相手にバレてクロークを殺されることも多々あり。カタパルトと同じくピーキーなユニットだがカタパルトと違って趨勢を決することは出来ない。と考えると正直微妙
  • ハマった時は気持ちいい

Mind Bender [洗脳士, コスト5]

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総合評価: E

  • 相手ユニットを一定確率で寝返らせる&味方の回復が出来る
  • 上記の2つの性質は敵ユニットとの最前線に居ないと役に立たないが、防御が弱い&攻撃不可なため、運用効率が非常に悪い
  • 高コストも相俟って、どのような状況でも生産する意味は無い

 

Giant [巨人, 都市規模拡大で生産]

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総合評価: A+

  • 圧倒的攻撃力&体力でとにかく強い。一体で複数部族を滅ぼせる
  • 移動力が低く、移動後の攻撃が出来ないため、どこに何時出すかは熟慮しよう
  • 迅速な移動のために移動先には道路を引こう
  • 出しすぎるとGardenによるスコア+250が得られず、スコアを圧迫するので、生産は最小限に留めたい。理想な3体ぐらい
  • 敵が出してきたら、対処法は3択: 避けるor不要なユニットを脇に配置して辺境に釣り出す&その間に都市を乗っ取るor味方の巨人をぶつけるべき

 

Boat [ボート, 港へのユニット移動で自動で変換]

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総合評価: B

  • 攻撃力・守備力は低いので、Boat主体の攻撃はおすすめしない。基本的に海上移動に徹しよう

 

Ship [船, コスト5]

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総合評価: B

  • 攻撃力はArcher(弓)と同じ。移動力が3あるので、偵察・都市占領に役に立つ
  • Boatとの海戦ではまず負けない。将来のBattleshipへのアップグレードを見越して何ユニットかShipにするのはアリ

 

Battleship [戦艦, コスト15]

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総合評価: A

  • 攻撃・防御・移動・視界全てで高水準で、使い勝手は抜群。コストに見合う価値はある
  • 沿岸の都市攻撃用に何体か出したい
  • 陸地に隣接させると複数の騎馬ユニットに攻撃されて1ターンで死んだりするので、他の船舶ユニットに索敵させつつ慎重に運用したい所
  • Giant(巨人)をBattleshipにすると、体力が高いため、単独で敵領土に突っ込める最強ユニットに変貌

東京一極集中が良い理由

理由を列挙してみた。詳しい調査をしている訳では無いが、大きく外していないはず。

5つの理由

  1. 東京は他地域よりも労働生産性が高い。なぜならサービス業では顧客が多く、IT業では労働市場が大きく知識のネットワークが形成されやすいからだ
  2. 東京は他地域よりもインフラ投資効率が良い。利用者の密度が高いからだ
  3. 東京は世界の大都市の中でも、集積と家賃と住宅価格の抑制を同時に達成している珍しい都市である。それゆえ、一極集中によって日本全体の可処分所得は上昇する
  4. 東京への一極集中は資源の節約になる。公共交通機関の利用度の高さとインフラの活用度合いが田舎よりも高いことはもちろん、他の都市圏よりも高いからだ
  5. 一極集中は多国籍企業がアジア拠点をシンガポールや上海よりも東京に置く理由になる

4つの一極集中への反論への反論

  1. 人口の分散は災害リスクの回避にはならない。経済損失の抑制で大事なのは物流拠点の分散や、東京を介さないインフラ網をバックアップで用意することだ。東京圏は他地域と比較すると、洪水や地震のリスクが高いとは言えず、先に述べたように防災インフラへの投資対効果も良い
  2. 人口の分散は地方の活性化に繋がらない。シンプルに東京への人口流入を抑制しても、そもそもの出生率減少が激しいからだ
  3. 規模の不経済は規模の経済を上回らない。東京都の一人あたりの可処分所得が2位の愛知県を20%上回る事がそれを表している
  4. 東京の過密はQOLの低下をもたらしているとは言えない。家は狭いが、買い物は便利で遊ぶ場所も多い

政策への提言

  1. 政府としては一極集中を食い止める必要は無く、人口の移動はなすがままにするべき。地方創生・地域活性化は東京への一極集中と結び付けずに対策を講じるべき
  2. 東京を如何に住みよく、効率的にするかに重点を向けるべき。住民のQOLを底上げすることは、海外人材の誘致にもつながる。その過程では、シリコンバレー一帯のような弱者にとってのディストピアにならないようにするべき

 

 

別分野で才能を発揮する例

2020年・米朝核戦争という国際政治学者が書いたIF戦記がとても面白かった。

 

まず核戦争から3年経った頃の報告書、というスタンスで書かれていて、図表が効果的に使われていて報告書感が醸し出されているのが新鮮で面白い。巻末のトランプ「元」大統領の談話も口調と主張が完全に再現されているのもリアルで良い。

全体を通して、政治学者の知識に裏打ちされた北朝鮮・韓国・アメリカ首脳陣の思考・考えの細部が圧倒的にリアルだった。

このカテゴリの他の本のストーリーを冷静に見てみると現実味が薄いものが多い。大筋でストーリーは不自然では無いが、組織の中で誰がどう受け止めて、どのようなプロセスを経て...という部分が簡略化されているのである。兵器や戦力が緻密に描かれている分そこの雑さが目についてしまう本も多い。

その非現実さは様式として読者には受け入れられているのだが、それゆえに超現実的な本書は新鮮で面白い。

このリアルさは「国際政治学者」が書いたからこそのものだと思うが、このようにとある専門家が別分野で才能を発揮する、というのは国際政治学者がIF戦記を書く、以外のシチュエーションでも色々ある気がしたので、筋が良さそうな組み合わせを以下に列挙してみる。

  1. 研究者がSF小説を書く。優れたSF小説は研究者が監修に入っていたりするが、研究者自身が物語の設定から練ることで、科学に詳しい小説家が思いもつかないテーマ・切り口の小説が書けそう。農業技術や都市工学など、SF小説としては傍流のテーマだとより面白そう。
  2. 俳優が政治家になる。演じる能力、長いセリフを覚えられる俳優の能力は政治に活きる。知名度と優れた容姿もプラスだ。レーガンやアーノルドシュワルツェネッガーが既出。
  3. プロサッカー選手が営業マンになる。営業マンは体力と根性、人当たりが重要だ。サッカー選手の体力と根性は言わずもがな。チームスポーツであるため対人能力も優れている。本人のモチベーションさえあれば、すぐに一流営業マンになれそう。大学アメフト部OBを商社が採用する論理に近いのかも。
  4. 教師がツアーコンダクターをやる。ツアーコンダクターに求められるのは予定を正確に消化するスケジュール能力、良いタイミングでわかりやすく解説する演説力と突発的なアクシデントに対応する力だ。どれも教師にとって重要な能力である。順当に歴史の教員などが向いていそうだ。
  5. 雑誌編集者が人事をやる。雑誌編集者は大勢の関係の薄い執筆者と仕事をする職業なので、人を見る目が養われていそう。文章を適切に評価できる点も、書類選考で強みになる。最低限の事務処理能力を持っている部分も安心だ。